まもるの休日

休日に思索したことを表現したいと思いました

『ステーキの勉強』

僕は51歳の建築設備施工会社の営業をしている会社員だ。
僕は昔から、食通とは到底言えない。
何を食べてもそれなりにおいしいと感じてしまう。
普段は面倒なので、適当に食事を済ませてしまうことが多い。
そのため、会社で食通な人とかに話しを聞くと、少し尊敬の気持ちがある。
以前、妻と息子を僕が選んだ焼肉屋に連れていった時に、あまりおいしくない店だったため、文句を言われた。
息子にはパパが選ぶ店はおいしくないと断言された。
それ以降、無難なチェーン店を選ぶようにしている。
しかし、いくら食通でなくても、人並になるべくおいしいものを食べたい気持ちはある。

建築家でエッセイストの宮脇檀の"男の生活の愉しみ"という本にこんな一節がある。

おいしいものを食べるには、おいしいものを食べたいと思う人間にならなくてはならないとうのがまず原則としてある。求めよさらば与えられん。
おいしいものを食べたいと思う人間になるには、何がおいしいかということを知っていなくてはならない。おいしいものとまずいものの差を知り、その落差に驚いてから人は初めて旨いものを追いかけ、それを追い求めるようになるのだ。

※宮脇檀 男の生活の愉しみ(PHP文庫) P20-P21

なるほど。
まずは、何がおいしいかを知っていないくてはならない。
そう思ってから、会社の人や友人と話して、おいしいという店を教えてもらったら、メモを取るようにした。
普段は仕事が多忙のため、チャンスが少ないが、それらの店に行くチャンスがあれば行こうと考えている。
先日、仕事帰りに、会社の人がおいしいと言っていた、ステーキ専門店の前を通った。
その店は平日でも行列ができている店だった。
しかし、その日は、平日の夜の早い時間で、雨が降っていたため、店がすいていた。
今がチャンスと思い、念願のステーキ専門店に入ることができた。
妻に帰りが遅くなるため、夕食はいらないとメールした。
店内は人が少なかったため、すぐに着席できた。
そして、評判のロースステーキを注文した。
その店はステーキを味付けしないで、バターをたっぷりのせて提供していた。
一人一人に調味料のセットを渡してくれて、自分で味付けをする。
調味料は塩、胡椒、ニンニクパウダー、ニンニク、醤油だった。
ステーキソースはないので驚いた。
周りの客を見ると、どうやらその店は塩胡椒だけで食べている人が多かった。
僕も塩胡椒、ニンニクパウダーをかけて食べたり、ニンニクと醤油をつけて食べた。
どれも、とてもおいしかった。
バターをたっぷりつけることがとても重要だと気が付いた。
これなら家でも作れると思い、いつか作って食べようと思った。
しかし、夕食をキャンセルして帰った時に、妻が僕の様子がおかしいと感じたようだ。
まるで、仕事で遅くなるので夕食はいらないというようなメールだったが、帰宅時間が早い。
何かおいしいものを一人で食べたのではないかと、疑われた。
僕はあっさり白状した。
家族においしいものを食べさせるため、ステーキ専門店で勉強してきたと言った。
妻と息子から一人でおいしいものを食べるのはずるいと、クレームがあった。
しかし、おいしいものの勉強をして、家族においしいものを食べさせてあげると反論した。
一応、妻と息子は納得してくれて、今度おいしいステーキを食べさせてくれと言ってきた。

今度、バターをたっぷりのせた、ステーキを作ってあげようと思う。