まもるの休日

休日に思索したことを表現したいと思いました

『息子から新しい世界を教わることについて』

先日、中学生の息子が新しくできたショッピングセンターに友人と出かけた。
そして、その時のことを、楽しそうに僕に話しくれた。
僕はそのショッピングセンターに行ったことがなかったので、とても興味深く聞いた。
どんな店ができていたか、質問とかもしてみた。
息子が「友人とショッピングセンターへ行ったこと」だけでなく、その体験を僕に話してくれたことが嬉しかった。

小学生までは、僕と妻が息子を連れて新しい場所へ行き、いろいろ教えてあげていた。
しかし、中学生になると、自分で新しい世界を見つけて、それを親に教えてくれることが増えてきた。
彼は友人と出かけることで行動範囲を広げ、自分なりの世界を作り始めている。そして、その経験を父親の僕に共有してくれる。
少しづつ自立しているのも嬉しいし、話しをしてくれるというのは、僕を信頼してくれているのもあると思う。

息子にとっては、ショッピングセンターそのものよりも、友達と自転車で行ったことや、自分たちで店を回ったこと、一緒にご飯を食べたり、話したりしたことが思い出になるのだと思う。
親としては、息子の自立は少し寂しさを感じることもあるけど、子どもが友人との世界を広げながら、親にその話を得意そうにしてくれるのは、とても健全でうれしい成長の姿だと思う。その「話してくれた」ということもとても価値があり、嬉しく思った。
僕自身も若い頃に自分の好きなことをして、自分の世界を広げた。
そして、友人と一緒に過ごし、悪ふざけしたりした。心から人生が楽しいと感じた。
僕は今も人生が楽しいと感じているが、若い頃は健康で体力もあるので、より楽しいことも多かった。
息子もこれから、さらに自分の世界を広げて、人生を楽しんでほしい。

僕は「チャールズ・ダーウィンの生涯」という本の一文がとても好きで、何度も読み返している。
”(大学時代) ケンブリッジで過ごした三年間が、私の幸福な生涯の中でも、最も楽しい時期だった”
なぜこの文章が好きかというと、チャールズ・ダーウィンは「種の起源」という本で、世間に大きな影響を与えた。進化論という考え方は、科学だけでなく人々の世界観すら変えることになった。
そんな偉大な科学者でも、大学時代の思い出を楽しいそうに語っている。
そのことで、彼は冷徹な科学者ではなく、人間味にあふれた魅力的な人物に思える。

ダーウィンは『自伝』で、「概していえば、ケンブリッジで過ごした三年間が、私の幸福な生涯の中でも、最も楽しい時期だった。なぜなら当時の私はきわめて壮健で、ほとんどいつも快活だったからである」
(中略)
卒業試験に合格さえすればよいのだから、遊ぶ時間はたっぷりあった。ダーウィンは相変わらず狩猟に熱中し、休暇期間ばかりでなく、学期中もケンブリッジ周辺の森で狩猟に興じていた。学友たちとの夕食では、酒を飲み、歌をうたい、カードで遊んだ。『自伝』には「これらの日々を楽しく思い出さずにはいられない」とある。

※「チャールズ・ダーウィンの生涯」 著者 松永俊男 朝日新聞出版

息子がどんな人生をこれから歩むか分からない。
僕の望みは、彼が自分で自分の好きな世界を見つけ、楽しく過ごしてくれればいい。
願わくば、そのことを僕や妻に得意そうに話してくれたら、とても嬉しい気がする。