まもるの休日

休日に思索したことを表現したいと思いました

『ソクラテスの弁明を読んで』

自らを恥じなかったということは、彼らの無恥なる点と私には見えたからである
私は私が語るところの正しきを信じている
人はどんな場合にも不正をおこなってはならないのだね。
むろんならない。

ソクラテスの弁明 クリトン プラトン著 久保勉 訳 岩波書店

私は36歳の時に初めて、"ソクラテスの弁明"を読んだ。
本の存在は知っていたが、読んだことはなかった。
36歳の時に、新婚旅行でロンドンの大英博物館に行った。その時に見た、パルテノン神殿関連の彫刻があまりに素晴らしく、とても感動した。
それから古代ギリシャに興味を持ち、古代ギリシャ関係の本を読むようになった。
はじめて、"ソクラテスの弁明"を読んだ時に、とても考えさせられた。
私は36歳だったので、若い頃に比べ、恥を感じなくなっていたことに気がついた。仕事をして、精一杯生きてきくためには、恥を考える余力はなかった。
そして、多少の不正なども、生きていくためには仕方がないと考えていた。
この本では裁判という、極端な状況とはいえ、恥に関すること、不正に関することについて考えさせられる。

私は周りの人や、メディアにすぐに影響される。
しかし、たまには自分に問いかけてみるようにした。

今の自分の生き方は正しいのか。
恥じない生活をしているのか。

普段は仕事や生活に追われると、完全にそのことを忘れてしまう。

だからこそ、50歳の今でも、たまに"ソクラテスの弁明"を読むようにしている。

恥ずかしくなく、正しく、善く生きることを、少しでも出来たらいいと思っている。

さあ、明日から仕事だ。精一杯働こう。